
70歳代,男性。アトピー性皮膚炎の既往はなく,気管支喘息などを含めアトピー素因もない。2年前に交通外傷で頸部を損傷してから,片側優位な上腕伸側の異常感覚が出現し,疼痛とかゆみを伴っている。1年前からは同領域に結節が多発し(図1),後に全身に拡大したため,当科を受診した。
本症例で有用な検査はどれか(複数選択あり)。
①皮膚生検および蛍光抗体直接法
②血清TARC値測定
③血清中抗BP180抗体値測定
④頸椎X線検査およびMRI検査
⑤特異的IgE検査
結節性痒疹の概要・病態
古典的な結節性痒疹は,男女ともに中年期以降に好発し,主として四肢伸側に,直径1cm内外の半球状・ドーム状に隆起する非常にかゆみの強い結節(痒疹結節)が孤立性に多発する皮膚疾患である。頭皮・顔面,掌蹠,陰部には症状がみられることは少ない。
古典的な結節性痒疹とは別に,若年層で発症する結節性痒疹も現在では認識されている。この患者群では,アトピー性皮膚炎などのアトピー素因を有することが多い。臨床像も古典的なものとはやや異なり,個々の痒疹結節は必ずしも孤立性とならず,癒合したり,不整形な結節となったりすることも多い。出現部位も四肢伸側を超えて,アトピー性皮膚炎病変部でかゆみの強い部位にもよく出現する1)2)。