検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

胆石,胆囊炎の診断と治療[J-CLEAR通信(186)]

登録日: 2026.03.05 最終更新日: 2026.03.05

阪本良弘 (杏林大学医学部消化器・一般外科学教室教授,杏林大学医学部付属病院肝胆膵外科診療科長)

お気に入りに登録する

1 はじめに

胆石症は肝胆膵疾患で最も代表的な疾患であるが,薬物療法には限界があり,有症状例では外科的な介入が必要となる。急性胆管炎を引き起こすと重症化する可能性もあり,適切な診断と治療が必要となる。

2 病態

胆石保有率は全人口の10%以上,肥満者の約25%と推定されている。有症状で発見されるのは,そのうちの30%程度である。胆石は,胆汁中コレステロールの過飽和,結晶化,胆囊収縮能の低下により,生成される。胆石の種類は,コレステロール系石が約50%,ビリルビンカルシウム石が約40%である。

危険因子として5F〔forty(40歳代),female(女性),fatty(肥満),fair(白人),fertile(妊娠,出産)〕が挙げられてきたが,2013年度調査では男性:女性の比率は1:0.9で,古典的な危険因子は必ずしも正しいというわけではない1)。胆石を有する患者に胆囊癌が発生しやすいという明らかなエビデンスはないが,胆囊癌の69~96%に胆石が併存する。

3 症状

胆石の60~80%は無症状である。症状の内訳は腹・背部痛(約57%),発熱(約10%),悪心・嘔吐(約8%),黄疸(約3%)である。右季肋部の疼痛や違和感を呈することが多い。発作時には心窩部の激しい腹痛が15~30分以上持続し,約60%で右肩甲骨から肩にかけて放散痛を自覚する。

胆囊炎を疑う場合はMurphy’s sign(胆囊を手で触知すると,痛みを訴えて呼吸を完全に行えない状態)やsonographic Murphy’s sign〔超音波(US)プローブによる胆囊圧迫による疼痛〕を確認するが,感度は65%で必ずしも高くない。

発熱・腹痛・黄疸(Charcot 3徴)と,これらに意識障害・ショックを加えたReynolds 5徴は,総胆管結石に伴う胆管炎を示唆する重要な所見とされてきたが,感度は26%ときわめて低く,Reynolds 5徴を認めないからといって,急性胆管炎を否定できない。

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む


1