インドで複数の患者発生が確認されているニパウイルス感染症について厚生労働省は2月5日、「国内での感染リスクは低い」とするリスク評価を公表した。
ニパウイルスは、オオコウモリ(フルーツバット)を自然宿主とし、オオコウモリや、オオコウモリから感染したブタやウマとの接触、オオコウモリの体液に汚染された果実・野菜などの摂取によりヒトに感染する。患者との濃厚接触によりヒト-ヒト感染も確認されている。
ニパウイルス感染症はワクチンや治療薬がないため致命率が高く(推定値で40~75%)、WHOはパンデミックを起こしうる感染症に位置づけている。
■輸入例発生の場合は家庭内感染や医療関連感染のリスクも
厚労省が発表したリスク評価は、国立健康危機管理研究機構がまとめたもの。国内でニパウイルスを保有するコウモリの報告はないため「国内におけるニパウイルス感染症の感染リスクは低い」としている。
輸入例が発生した場合、国内で家庭内感染や医療関連感染が発生する可能性はあるとしながら、「日常生活における接触で容易にヒトからヒトへ広がる感染症ではなく、国内の市中でニパウイルスが伝播する可能性は低い」としている。
厚労省は、インドなどの流行地域への渡航者に対し、オオコウモリやブタとの直接の接触、生のナツメヤシの樹液や洗っていない果物の摂取を避け、帰国時、体調に異状がある場合は検疫官に申し出るよう呼びかけている。