社会保障審議会医療保険部会は12月25日、医療保険制度改革に関する議論の整理をとりまとめた。世代内、世代間の公平性をより確保し、全世代社会保障の構築を一層進める観点などから、高額療養費制度やOTC類似薬を含む薬剤自己負担、長期収載品の選定療養の見直しなどを提言する一方、高齢者の窓口負担のあり方などは継続検討課題とした。
高額療養費制度について議論の整理は、長期療養患者や低所得者に配慮しつつ月単位の自己負担限度額を引き上げることなどを提言した、専門委員会の「基本的考え方」を十分に踏まえた見直しとすることを求めた。
出産に対する支援では、現行の出産育児一時金に代えて分娩を取り扱う医療機関・助産所における分娩を対象に、療養の給付とは異なる出産独自の給付類型を設けた上で、設定した費用の10割を保険給付とする仕組みを創設。これにより、保険診療以外の分娩対応に要する費用については、妊婦の自己負担が生じないようにするよう提言した。
高齢者の窓口負担割合のあり方に関しては、政府の経済対策が医療費窓口負担の応能負担の実現について25年度中に骨子をまとめ、26年度中に具体的制度設計をするとしていることを踏まえ、「政党間の議論の状況を注視しつつ、引き続き検討すべきである」と記載した。医療保険における金融所得の勘案については、応能負担の実現に向けた第一歩として、後期高齢者医療制度の保険料や窓口負担区分等の決定に金融所得を反映させることを提言した。
OTC類似薬の薬剤自己負担では、薬剤費の一部について患者に追加負担を求める仕組みを保険外併用療養費制度の中に創設することを提言。長期収載品の選定療養では追加負担の水準を後発医薬品との価格差の1/2相当以上に引き上げることを求めた。なお、26年度予算案の編成過程でOTC類似薬における追加負担の水準は薬剤費の1/4に設定、長期収載品の選定療養における追加負担の水準は後発医薬品との価格差の1/2に引き上げることが決定している。
先行バイオ医薬品を長期収載品と同様に選定療養の対象とすることについては継続検討課題とし、26年度診療報酬改定に向けてバイオ医薬品の一般名処方のルール整備や、医療機関におけるバイオ後続品の備蓄等の体制評価に関する議論が進むことに期待を示した。