クリニジェンは12月22日、人乳由来母乳強化剤「プリミーフォート経腸用液6、同8、同CF」の製造販売承認を取得したと発表した。効能・効果は「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児・乳児の栄養管理」。1500g未満で生まれた極低出生体重(VLBW:very low birth weight)児等の栄養管理を目的とした人乳由来母乳強化剤の承認は国内で初めてとなる。
VLBW児は、消化管機能が未熟である一方、脳神経系や筋骨格系の発達が急速に進むため、高いエネルギーとタンパク質需要を必要とする。そのため、出生早期は静脈栄養と経腸栄養を適切に導入し、十分なカロリーとタンパク質を確保することが重要とされている。
人乳由来の濃縮、低温殺菌処理された液体の母乳強化剤であるプリミーフォートは、米国プロラクタバイオサイエンス社が開発。米国で2006年に登場以来、2025年11月現在、欧米・中東19カ国で販売され、12.5万人を超えるVLBW児等の栄養管理に使用されている。
日本小児科学会などで構成する日本小児医療保健協議会の栄養委員会は2019年1月に発表した提言で「将来的には、母乳と人乳由来の母乳強化で栄養するEHMD(exclusive human milk-based diet)が早産・極低出生体重児に与えられることが望ましい」としていた。
「プリミーフォート経腸用液」の用法・用量
「強化乳6」を50mL/kg/日から投与開始し、徐々に投与量を増やし、100mL/kg/日に到達後は必要に応じて強化乳の切替えを行う。栄養補給量は160mL/kg/日まで継続的に漸増する