2026年度の次期診療報酬改定は、12月24日に行われた上野賢一郎厚労相と片山さつき財務相の閣僚折衝で、本体3.09%、ネット2.22%のプラス改定とすることが正式に決定した。本体改定率が3%を超えるのは30年ぶり、ネット改定率が2%を超えるのは32年ぶりとなる。
改定率は表の通り。大幅なプラス改定となった上に、物価・人件費の高騰を見据え、改定率に“階段状”の対応が初めて導入される。

本体改定率は26年度が+2.41%、27年度が+3.77%となり、平均で+3.09%。薬価・材料価格が-0.87%(国費1063億円程度)のためネット+2.22%となる。
本体改定率の内訳は、①賃上げ分:+1.70%(26年度:+1.23%、27年度:+2.18%)、②物価対応分:+0.76%(26年度:+0.55%、27年度:+0.97%)、③食費・光熱水費分+0.09%、④2024年度診療報酬改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分+0.44%、⑤後発医薬品体制加算・後発医薬品調剤体制加算など後発品への置換えの進展を踏まえた処方や調剤についての評価の適正化や、在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取り組み強化などによる効率化:-0.15%─となっている。
①~⑤を除いた通常改定分の財源は+0.25%。各科改定率は医科+0.28%、歯科+0.31%、調剤+0.08%となり、従前の1:1.1:0.3の各科配分比率は維持される形となった。
■物価対応分財源は病院に手厚く充当
①の賃上げ分と②の物価対応分で2段階制が適用される。物価対応では、26年度以降の物価上昇への対応として+0.62%(26年度:+0.41%、27年度+0.82%)を充当し、診療報酬に特別な項目を設定することで対応。施設類型ごとに配分を変え、病院:+0.49%、医科診療所:+0.10%、歯科診療所:+0.02%、保険薬局:+0.01%となる。病院の中でも、医療機能に応じた配分を行う。大学病院を含む高度機能医療を担う病院は物価高の影響を受けやすいこと等を踏まえ、+0.14%の財源を物価対応本格導入時の特例的な対応として措置する。
2024年度診療報酬改定以降の「経営環境の悪化」を踏まえた緊急対応分としては+0.44%の財源を確保。2025年度補正予算の効果を減じることのないよう、施設類型ごとにメリハリのある配分で、病院:+0.40%、医科診療所:+0.02%、歯科診療所:+0.01%、保険薬局:+0.01%がそれぞれ手当てされる。
2段階制の具体的な制度設計は今後、中央社会保険医療協議会で検討を進めることになる。実際の経済・物価動向が大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、それぞれ特例分を除いた賃上げ分の+1.42%、物価対応分の+0.62%、食費・光熱費分の+0.09%について、2027年度予算編成において加減算を含めさらなる必要な調整を行うため、答申時に26年度と27年度の点数が設定されるかについて厚労省保険局は「未定」としている。