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2026年度診療報酬改定「本体」3.09%引き上げをどう読むか?[深層を読む・真相を解く(162)]

登録日: 2025.12.24 最終更新日: 2025.12.30

二木 立 (日本福祉大学名誉教授)

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2026年度の診療報酬改定幅は、2025年12月19日に高市首相の裁定で、「本体」3.09%引き上げ、薬価・材料価格0.8%(その後0.87%)引き下げで決着しました。これは医療団体の求めていた10%には及びませんが、「本体」引き上げが3%超となるのは、1996年度の3.4%以来30年ぶり(2024年度は0.88%)であり、画期的です。本稿では、今回の決定の意味を5点、「速報」的に述べます。

「全体」よりも「本体」の内訳に注目

伝統的には、診療報酬改定率は、診療報酬「本体」の改定率−薬価等の引き下げ率=診療報酬「全体」改定率と表現されていました。この式を用いると、今回の「全体」改定率は3.09%−0.87%=2.22%となります。ただし、現在は医薬分業が定着し(2023年度80.3%)、かつてように薬価差益=医療機関の収入とはなっていないため、「全体」改定率は医療機関にとってはほとんど意味がなく、医療機関全体では3%の引き上げと理解してよいと思います。

重要なのは「本体」3.09%の内訳です。それは、賃上げ対応1.70%、物価対応0.76%、光熱水費(食費含む)0.09%、その他の過去の物価対応0.44%、「政策改定」0.25%(ここまでで3.24%)であり、ここから「適正化」0.15%を除いて、3.09%とされています。「適正化」は在宅医療・訪問看護、調剤薬局が主な対象とされ、引き上げ率に病診格差が生じるのは確実です。私は病院経営の窮状を考えると、それは妥当だと思います。

問題は、賃上げ対応の方法です。もし2024年度改定と同様の「ベースアップ評価料」が用いられた場合、診療所の申請は病院に比べてはるかに低いため(病院9割、診療所4割)、実際の引き上げ率の病診格差はさらに大きくなります。私は「ベースアップ評価料」は医療機関の自主的経営権の侵害であり、医師会・病院団体は絶対に認めるべきではないと思います。

もっとも、2024年度改定で多くの診療所が減収減益になったのとは異なり、今回は診療所もプラス改定となり、財務省が執拗に求めた診療所から病院への診療報酬シフトはごくわずかにとどまり、診療所も増収になると判断しています。今後、財務省が、このシフト(傾斜配分)を強めるよう攻勢をかけるのは確実ですが、後述する理由から、流れを大きく変えるのは困難と予測します。

OTC類似薬(など)の追加負担

新聞報道ではごく断片的にしか報道されていませんが、私は、2025年12月19日の自由民主党(以下、自民党)と日本維新の会(以下、維新の会)の政調会長間で合意した「社会保障改革」に含まれる、OTC類似薬などの薬剤給付の見直しにも注目すべきと思っています。

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