42大学44病院から構成される国立大学病院長会議は12月19日、東京都内で記者会見を開き、2025年度の収支見込を公表した。全国44病院の現金収支見込は321億円の赤字となる見通しで、赤字経営の病院は32に上る。2026年度以降も支出増加は続く見込みで、病院経営の危機は解消されていない状況が明らかになった。
会見で大鳥精司会長(千葉大学医学部附属病院長)は、病院単体の現預金シミュレーションを基にした44病院合計の現金収支の見通しを公表。早ければ、2026年度にも年度末に必要現金額が手元資金を上回り、資金ショートに陥る可能性があるとし、「補正と改定で延命はできたが、危機的状況は続いている」と危機感を強調した。
2026年度以降の支出増加予測については、人件費などの上昇により、2026年度は約499億円増、2027年度は約998億円増と試算。これは病院収益の5.3%に相当し、「3.09%の診療報酬改定ではまだまだ全然足りない」と指摘した。
2026年度の次期診療報酬改定の本体改定率が3.09%で決着したとの報道を踏まえ、各病院長は改定率について一定の評価をした一方で、不十分だという声も上がった。
田中栄副会長(東京大学医学部付属病院長)からは、「2年に1回の改定では追いついていないのではないか。診療報酬の決め方の枠組みを変えていく必要がある」と診療報酬改定のあり方の見直しを求めた。
大鳥会長は補正予算での措置についても言及。「毎回補正に頼るのは現実的ではない」との考えを示し、診療報酬で一定の水準を確保する必要があるとした上で、物価高や人件費高騰に合わせた評価の見直しの必要性を強調した。