中央社会保険医療協議会総会が12月19日に行った医療DXに関する議論では、「医療DX推進体制整備加算」の取り扱いが争点となった。廃止を求める支払側に対し、診療側は存続と評価引上げを求めており、両者の意見の隔たりは大きい。
厚生労働省は総会に提示した資料で医療DXの各サービスをオンライン資格確認等システムのように医療機関などへの普及が概ね完了したものと、電子処方箋や電子カルテ・電子カルテ情報共有サービスのように、これから本格的普及を目指す段階にあるものに整理。その上で、こうした普及状況の違いに着目した診療報酬上の評価のあり方を検討課題に位置づけた。
これを受け支払側の複数の委員が「医療DX推進体制整備加算」について、マイナ保険証の利用促進など当初目的としていた役割は終えており、廃止すべきと主張。松本真人委員(健康保険組合連合会理事)はこれに加えて「医療情報取得加算」と「明細書発行体制等加算」の廃止も求めた。
診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、「オンライン資格確認を行う体制の評価など基本的な要素に関する評価は変えるべきではない」と反論し、「医療DX推進体制整備加算」の存続を要望。さらに「今後、医療DXを推進するためには、診療報酬上の評価を今まで以上に引き上げる必要がある」と述べ、電子処方箋や電子カルテ・電子カルテ情報共有サービスといった普及を目指す段階にあるサービスについては、それを後押しする診療報酬上の手厚い評価が不可欠だと強調した。
■現行の診療報酬では医療DXのランニングコストを賄えない─診療側・江澤委員
支払側からはサービス導入後の運用コストを基本報酬で賄うべきだとの意見も出たが、江澤委員は、「ランニングコストは医療機関の自己負担になっており、厳しい医療機関経営を大変強く圧迫しているのが実情だ。現状の診療報酬では賄えないということをはっきり申し上げたい」と異議を唱えた。