検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

FOCUS_Digest:かかりつけ医が見逃したくない蜂窩織炎

登録日: 2025.12.17 最終更新日: 2025.12.23

近藤俊介 (ハワイ大学内科レジデント/みんほす!chief educator) 永井友基 (長崎医療センター総合内科/みんほす! 代表)

お気に入りに登録する

ハワイ大学内科レジデント/みんほす!chief educator
近藤俊介
東京慈恵会医科大学を卒業後,手稲渓仁会病院,高槻病院での勤務を経て2024年より渡米。現在,ハワイ大学内科レジデンシープログラムにて研修を行い,集中治療・感染症領域のフェローシップに向けて準備中。日本内科学会,米国内科学会,米国集中治療学会所属。日本での勤務中には,米国内科学会日本支部国際交流委員会元委員であったため,国際交流や臨床留学へのサポートも行っている。
長崎医療センター総合内科/みんほす! 代表
永井友基
長崎医療センター総合内科/みんほす! 代表 「みんなで楽しくホスピタリストになろう勉強会」(愛称:みんほす!)を主催する。毎週,研修医やコメディカルの役に立つオンライン勉強会を発信中。 活動の詳細については,ホームページにて確認されたい。
私が伝えたいこと
◉蜂窩織炎は日常診療で頻繁に遭遇するが,診断は容易ではない。壊死性筋膜炎や深部静脈血栓症など生命を脅かすmimickerを見逃さないことがきわめて重要である。
◉患者背景(糖尿病,免疫不全,高齢者,慢性浮腫など)や特殊な部位(口腔底,顔面危険三角,インプラント直上)では,非典型的な臨床像や急速な悪化を呈しやすく,迅速な判断と専門医への紹介が求められる。
◉治療と再発予防は抗菌薬投与だけではなく,患肢挙上や浮腫の管理,侵入門戸(足白癬など)の根絶が不可欠であり,患者教育と長期的フォローアップが重要である。

❶ 蜂窩織炎とは

蜂窩織炎(cellulitis)は,主としてA群β溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)や黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)によって引き起こされる,皮膚深層から皮下脂肪組織にかけての急性・非壊死性の化膿性感染症である。その名称は,炎症が皮下脂肪組織の結合組織(線維性隔壁)に沿ってびまん性に拡大していく様子が,蜂の巣の断面(蜂窩)のように見えることに由来する。

蜂窩織炎は非常にコモンな疾患でありながら明確な診断をつけることは難しく,その鑑別疾患の中にはしばしば致死的・重篤な疾患が含まれる。かかりつけ医の診療現場においても非常によくみられる疾患であり,適切なケアにより患者の予後が守られる。一方で,不適切な治療により,多大なる不利益が生じうる疾患でもある。

古典的には,丹毒はレンサ球菌感染による境界明瞭な隆起性紅斑を特徴とし,蜂窩織炎はブドウ球菌感染を含む,より境界不明瞭な病変とされてきた。しかし,臨床現場では両者の鑑別はしばしば困難であり,明確な境界線を引けない症例も多い。そのため,近年では両者を連続した病態スペクトラムとしてとらえ,「皮膚軟部組織感染症(skin and soft tissue infections:SSTIs)」という広範なカテゴリーの中で扱われることが一般的である。

蜂窩織炎の病態の核心は,皮膚バリアの破綻部位からの細菌侵入と,それに続く宿主の免疫応答である。細菌が真皮深層や皮下組織に定着すると,増殖を開始し,毒素や酵素を産生する。これに反応して,宿主は好中球を主とする炎症細胞を動員し,サイトカインやケモカインを放出する。

この一連の免疫応答が,臨床的に観察される発赤,腫脹,熱感,疼痛といった炎症の4大徴候を引き起こす。特に,皮下脂肪組織は血流が比較的乏しく,構造的に粗であるため,感染が水平方向に広がりやすいという解剖学的特徴を持つ2

まずキソから…

❷ 病態生理と解剖学的特徴

皮膚は表層から表皮,真皮,皮下組織の3層構造を成している(11。蜂窩織炎の主座は,真皮深層から皮下脂肪組織である。これに対し,より表層の真皮上〜中層およびリンパ管を主座とする感染症は丹毒(erysipelas)と定義される。

3つの側面をイシキ

❸ 疫学と臨床的重要性

蜂窩織炎は,かかりつけ医や救急医療の現場で頻繁に遭遇する感染症のひとつである。米国では,年間1400万件以上の受診があり,入院の主要な原因のひとつとなっている。好発部位は下肢であり,全体の約70〜80%を占めるとされるが,上肢,顔面,体幹など,身体のあらゆる部位に発症しうる3

本疾患は,多くの場合,適切な抗菌薬治療により良好な予後を期待できる。しかしながら,その臨床的重要性は,いくつかの側面に存在する。第一に,前述の通り頻度が高く,医療資源に与える影響が大きいこと,第二に,その臨床像が,壊死性筋膜炎や深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT)といった,生命や患肢の予後を脅かす蜂窩織炎に似た疾患(mimicker)と酷似していること,である。特に,かかりつけ医にとっては,典型的な蜂窩織炎とこれらのmimickerを的確に鑑別し,見逃さないことがきわめて重要な責務となる。第三に,糖尿病や免疫不全といった特定の背景を持つ患者においては,容易に重症化し,敗血症や多臓器不全へと進展するリスクを常に内包している。

したがって,一見ありふれた疾患でありながら,その背後にある多様なリスクを的確に評価し,個別化されたマネジメントを行う能力が臨床医には求められている4

3つの要素~そして発症

❹ 原因とリスク因子

蜂窩織炎の発症は,「原因菌」「感染経路」「宿主のリスク因子」という3つの要素の相互作用によって決定される。これらの要素を理解することは,適切な経験的治療(エンピリック治療)の選択,再発予防策の指導,そして重症化リスクの予測に不可欠である。

このあとは…①原因菌,②感染経路:皮膚バリアの破綻,③宿主リスクの因子,についての説明が続きます。

3つの要素!

4つの徴候

❺ 症状・臨床的特徴

蜂窩織炎は,以下の4つの炎症の徴候(4大徴候)が特徴的である。

発赤:皮膚が赤くなる。境界は比較的不明瞭で,じわじわと広がる。

腫脹:患部がパンパンに腫れあがる。

熱感:患部に熱っぽさを感じる。

疼痛:患部を押すと痛む(圧痛),または自発痛がある。

これらの局所症状に加え,感染が全身に及ぶと発熱,悪寒,倦怠感,頭痛などの全身症状を伴うことがある。また,重篤な感染症として,敗血症・敗血症性ショックにまで進展することもあり,全身状態には常に注意を要する。

特に見た目のみでは下記に示すmimicker(26との鑑別は困難であることが多いため,総合的に判断する必要がある7

関連書籍 手を出す?出さない? ジェネラリストのためのよく診る皮膚症状20/皮膚疾患60【電子版付】:土田哲也著,AB判,168頁。本書を通読することで,最初に「皮疹」の意味(第1章),続いて「皮膚症状」の見きわめ(第2章),さらに「皮膚疾患」の診断と治療のポイント(第3章)を学ぶことができ,ありふれた皮膚病変に対する最小限の対応ができるようになる。
腕のみせどころ

❻ 診察と検査:かかりつけ医の実践的アプローチ

かかりつけ医の診療現場では,必ずしもすべての検査を即日に実施できるわけではない。したがって,診断の根幹は,五感を駆使した病歴聴取と身体診察となる。

(1)武器としての病歴聴取と身体診察

(1)問診で探るべきこと

時間経過:「いつから」「どのくらいの速さで」悪化しているか。数時間単位での急速な悪化は,壊死性筋膜炎などの生命を脅かす疾患を示唆する。

痛みの性状:「これまでに経験したことのないような異常な痛みですか?」「夜も眠れないほどですか?」といった問いかけで,“pain out of proportion”(症状と不釣り合いな激しい疼痛,壊死性筋膜炎のサイン)の有無を探る。

侵入門戸の探索:最近の怪我,虫刺され,動物咬傷の確認。そして「水虫はありませんか?」という問いかけは,特に下肢蜂窩織炎で必須である。

mimickerを鑑別するための問診:「過去に血栓ができたことは?」「最近,手術や長期の旅行などで動けない期間はありましたか?」(DVTの示唆),「関節の曲げ伸ばしをすると激痛が走りますか?」(化膿性関節炎の示唆)。

(2)視診と触診の技術

マーキング:発赤の辺縁を油性ペンでマーキングし,数時間後〜翌日に拡大の有無を客観的に評価する。これは,診断および治療効果判定におけるきわめて強力なツールである。

両側性の評価:必ず健側と比較する。熱感,腫脹の程度,色調の違いを慎重に評価する。両側性の場合は,うっ滞性皮膚炎など非感染性の病態をより強く疑う。

深部の触診:皮膚表面だけでなく,深部に硬結や索状物(静脈炎の可能性),波動(膿瘍形成),そして握雪感〔皮下気腫=壊死性皮膚軟部組織感染症(第8章鑑別疾患とmimickerを見逃さないための実践的アプローチ参照)の徴候〕がないか,慎重に触診する。

(2) 検査の考え方と使い方

(1)血液検査

診断には必須ではないが臓器障害の程度を評価したい場合に考慮する。かかりつけ医の診療現場において,特に同日に検査結果を得られない状況では,血液検査の結果を待ってから判断するのではなく,臨床所見から次のアクション(高次医療機関への紹介など)を決定する。血液検査はあくまでその判断を補強・追認するため,と位置づけるのが現実的である。CRPは炎症の指標となるが,ステロイド使用者では炎症所見がマスクされる中で唯一の上昇所見となることがある一方,非感染性の炎症(痛風など)でも高値を示すため,解釈には注意を要する。

(2)培養は「原則,不要」

推奨されない理由:一般的な市中発症の蜂窩織炎において,培養の原因菌検出率は2〜30%程度ときわめて低い。また,原因菌の大部分がブドウ球菌かレンサ球菌であるため,培養結果が初期の抗菌薬選択を変えることは稀である。侵襲性を考慮すると,ルーチンでの実施は推奨されない。

かかりつけ医のスタンス:外来で遭遇する典型的な蜂窩織炎に対して,血液培養の採取は原則不要と考える。また,培養できる備品を持っていないクリニックも,もちろんあると思われる。ただし,培養検査に結果として「救われる」ことがあるため,血液検査を行う場合に同時に血液培養分を採取することは許容されると考える。特に診断が不確かな場合は採取を検討する。

培養を考慮する例外的な状況:これは主に高次医療機関での判断となるが,「重度の免疫不全」「動物咬傷」「汚染水への曝露」「適切な初期治療にまったく反応しない」といった非典型的なケースでは,原因菌を特定するために血液培養や組織培養が検討される。また,感染性心内膜炎が背景にあることを疑う場合には必ず採取を行うべきであり,その場合は高次医療機関への紹介が望ましい。

感染性心内膜炎を疑うポイント
最初は蜂窩織炎と判断しても,持続する発熱/新規心雑音/末梢塞栓徴候(点状出血・Janeway)/血培陽性(特に黄色ブドウ球菌)があれば感染性心内膜炎を想定し,高次医療機関への紹介を検討する。

(3)超音波(エコー)検査

通常の蜂窩織炎には超音波検査は不要と考える。皮下膿瘍を疑う場合や,DVTや関節炎との鑑別に悩む場合などには有用となる。

総合的に・臨床的に

❼ 診断

蜂窩織炎の診断は,診断基準があるわけではない。これまで述べた通り,経過,臨床所見,検査結果などを総合して臨床的に診断する。そして,診断に血液検査は必須ではない。

患者さんのためにココは外せない!

❽ 鑑別疾患とmimickerを見逃さないための実践的アプローチ

蜂窩織炎の診断における最大の課題は,症状が類似する他の疾患(mimicker)との鑑別である。特に,致死的疾患や緊急処置を要する疾患を見逃さないことが,かかりつけ医には強く求められる。臨床現場での判断に直結するよう,鑑別疾患を緊急度に基づき3つのカテゴリー(1)に分類して解説する。

このあとは…カテゴリー1「絶対に見逃せないred flag疾患(即時,救急要請・専門医への緊急紹介)」,カテゴリー2「専門医の紹介を考慮すべき疾患」,カテゴリー3「かかりつけ医が主体で鑑別・管理しうる疾患」と続き,さらに9章「特殊部位における危険な蜂窩織炎」,10章「非典型的な臨床像を呈しやすい蜂窩織炎の併存疾患や状態」についての詳細な解説が加えられます。

大事なところですね!

いよいよ

11 治療法

蜂窩織炎の治療は,「感染の制御」「症状の緩和」「再発の予防」という3つの柱から成る。特に,抗菌薬以外の理学療法・支持療法が,治癒の促進と苦痛の軽減にきわめて重要な役割を果たす1415

(1)理学療法・支持療法(非薬物療法)

これらは単なる補助療法ではなく,抗菌薬治療と並行して必ず実施すべき積極的な治療と位置づけられる。これらが実施されていないことで蜂窩織炎の治療が失敗することも数多く経験するくらい,重要な治療である。下記のRICE処置が有名であるが,中でも患肢挙上が最もエビデンスが豊富であり,重要であるとされる(5)。

(2) 抗菌薬治療

(1)治療の基本原則

原因菌として最も頻度の高いA群β溶血性レンサ球菌とメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus:MSSA)を標的とした経験的治療を速やかに開始する。重症度,患者背景(免疫不全など),地域の薬剤耐性率を考慮して,投与経路と薬剤を選択する(6316

(2)外来治療(経口抗菌薬)

適応:全身症状(発熱,悪寒など)を伴わない軽症〜中等症例。

第一選択薬:β-ラクタム系薬が基本となる。レンサ球菌とMSSAの両方に良好な活性を持つセファレキシンが基本となる。動物咬傷後などグラム陰性菌や嫌気性菌の関与が疑われる場合はアモキシシリン/クラブラン酸を選択する。ぺニシリンアレルギーがある場合は,クリンダマイシンが代替薬となる。

フォローアップ:治療開始後24〜48時間以内に再評価することがきわめて重要である。発赤の境界をマーキングし,縮小傾向にあるか,発熱や疼痛が改善しているかを確認する。改善がみられない,あるいは悪化している場合は,入院治療への切り替えを躊躇しない。

(3)入院治療(経静脈抗菌薬)

適応:①発熱・悪寒・低血圧などの全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)を伴う場合,②急速に病変が拡大している場合,③重度の疼痛がある場合,④免疫不全状態,⑤顔面など特殊部位の蜂窩織炎,⑥経口抗菌薬による外来治療に失敗した場合。

第一選択薬:レンサ球菌とMSSAを標的とするセファゾリンが基本である。より重症例や,動物咬傷後などグラム陰性菌や嫌気性菌の関与が疑われる場合は,アンピシリン/スルバクタムやピペラシリン/タゾバクタムなどが選択される。

MRSAを考慮する場合:膿瘍形成を伴う場合,最近の入院歴や手術歴がある場合,地域のMRSA罹患率が高い場合などでは,初期治療からMRSAをカバーする。経静脈薬ではバンコマイシンやリネゾリドが,経口薬ではドキシサイクリン,スルファメトキサゾール/トリメトプリム,リネゾリドなどが用いられる。

治療期間:かつては10〜14日間が標準とされてきたが,近年のエビデンスでは,臨床症状が改善すれば,より短期間の治療で十分であることが示唆されている。合併症のない蜂窩織炎であれば,5〜7日間の治療が一般的となりつつある。治療期間は固定された日数で考えるのではなく,炎症所見(特に発赤・腫脹・熱感)の消退をもって判断する1417

下肢蜂窩織炎は再発率高し!

12 予防と予後

(1)予防:再発の悪循環を断ち切る

蜂窩織炎,特に下肢蜂窩織炎は再発率が高い疾患であり,その予防はかかりつけ医の重要な役割である。

(1)侵入門戸の根絶

足白癬の徹底治療:再発性下肢蜂窩織炎の患者では,ほぼ必発と考えられる足白癬の治療が最も重要である。趾間,足底を注意深く観察し,適切な抗真菌薬(外用または内服)による治療を行う。

外傷の管理:小さな切り傷や擦り傷でも,速やかに洗浄・消毒を行うよう指導する。

(2)浮腫の管理

根本原因である浮腫のコントロールなくして再発予防はありえない。心不全や腎機能障害などの全身性疾患の管理に加え,圧迫療法(弾性ストッキングなど)の継続が中心となる。

(3)スキンケア

皮膚バリア機能を維持するため,患肢の清潔を保ち,保湿剤(ヘパリン類似物質など)を定期的に使用して乾燥を防ぐことが,微小な亀裂の発生を抑える上で有効である。

(4)予防的抗菌薬投与

年に2〜3回以上の頻回な再発を繰り返す症例では,予防的な抗菌薬の長期内服が考慮されることがある。保険適用の問題,薬剤耐性のリスクもあり,どの抗菌薬を使用するかは専門医と相談の上で慎重に開始すべきである。

(2) 予後(合併症を含む)

早期に適切な治療が行われれば,予後は一般的に良好である。しかし,診断や治療が遅れた場合,あるいは基礎疾患が重篤な場合には,以下のような様々な合併症をきたしうる。

局所の合併症:膿瘍形成,壊死性筋膜炎への進展,骨髄炎,化膿性関節炎。

全身性の合併症:菌が血流に乗り全身に広がることによって生じる敗血症,およびそれによるショックや多臓器不全。

遠隔臓器への影響:感染性心内膜炎,レンサ球菌感染後糸球体腎炎。

後遺症:最も頻度の高い長期的な後遺症は,炎症によるリンパ管の不可逆的な破壊によって生じる慢性リンパ浮腫である。これにより,患肢の恒久的な腫脹が残り,さらなる蜂窩織炎の再発リスクとなる。

五感を駆使!

13 まとめ

蜂窩織炎は,日常診療で頻繁に遭遇する,ありふれた皮膚感染症である。しかし,その臨床像はきわめて多様であり,「ありふれた蜂窩織炎」に見えてもその背景には生命を脅かすmimicker(壊死性筋膜炎など)や,特殊部位における危険な病態(Ludwig’s anginaなど)が隠れている可能性がある。また,糖尿病患者や高齢者,免疫不全者においては,典型的な炎症所見を欠く非典型例として現れることも少なくない。

かかりつけ医に求められるのは,教科書的な知識に加え,患者一人ひとりの背景を深く理解し,五感を駆使した臨床推論を行う能力である。特に「経験したことのない異常な痛み」や「急速な悪化」,そして非特異的な全身症状の背後にある感染症の可能性を常に念頭に置く,高い “ index of suspicion(疑いの指標)”を維持することが重要である。危険なサインを的確にとらえ,診断に固執することなく,適切なタイミングで専門医へつなぐ迅速な判断こそが,重篤な転帰を防ぐための鍵となる。

【文献】

1) Bystritsky R, et al:Ann Intern Med. 2018;168(3):ITC17-32.

2) Sullivan T, et al:Clin Med(Lond). 2018;18(2):160-3.

3) Stevens DL, et al:Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-52.

4) Gowda SK, et al:Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2025;91(3):346-55.

5) Rrapi R, et al:Med Clin North Am. 2021;105(4):723-35.

6) 梅林芳弘:診断と治療. 2023;111(7):849-51.

7) Raff AB, et al:JAMA. 2016;316(3):325-37.

8) Wells PS, et al:N Engl J Med. 2003;349(13):1227-35.

9) Wilson MP, et al:J Emerg Med. 2013;44(5):928-31.

10) Biglione B, et al:Curr Dermatol Rep. 2022;11(3):138-45.

11) Blumberg G, et al:J Emerg Med. 2017;53(4):475-84.

12) Takayama M, et al:J Gen Fam Med. 2023;24(3):190-1.

13) Costain N, et al:Am J Med. 2011;124(2):115–7.

14) Williams OM, et al:Int J Antimicrob Agents. 2020;56(3):106076.

15) Brindle R, et al:JAMA Dermatol. 2019;155(9):1033-40.

16) Cross ELA, et al:J Infect. 2020;81(4):521-31.

17) Jacka J, et al:Australas J Dermatol. 2025;66(6):321-8.

続きをご覧になりたい方は…
2つの方法があります
有料会員としてログイン サイト内の記事閲覧
Webコンテンツを単品購入

1