OTC類似薬の保険給付見直しをめぐる政府・与党内の協議が大詰めを迎える中、医療・患者団体や野党から慎重な議論を求める声が相次いでいる。
全国保険医団体連合会(竹田智雄会長)は12月4日、国会内で集会を開き、患者団体などとともに集めたOTC類似薬の保険適用継続を求める約21万筆の署名を厚労省に提出。竹田会長は「(OTC類似薬を)保険給付から除外したり、3割の窓口負担とは別に追加負担を求める新制度を導入することは、療養中の患者に対する『いやがらせ=ペナルティー』でしかない」と述べ、負担増の方向に強い懸念を示した。
出席した厚労省保険局の担当官は「現時点でOTC類似薬について一律・機械的に保険適用から除外すると決定したわけではない」としながら、関係審議会の議論で「(保険から)外すのではなく、保険の中で追加負担を取る方法もあるという提案もいただいている」と述べ、保険外併用療養費制度の選定療養を活用して患者に追加負担を求める案が有力となっていることを示唆した。
難病患者を家族に持つ大藤朋子さんは「負担増になるととても生活できないということで署名活動を立ち上げた。負担増ありきで議論をしないでいただきたい」と訴えた。
■立憲民主「患者への影響検証した形跡がない」
一方、立憲民主党は12月10日、政府・与党内のOTC類似薬の保険給付見直しの議論に対し「患者に対する影響の検証がなされた形跡がない」として性急な議論を牽制する要請書を党内の調査会でまとめ、上野賢一郎厚労相に提出した。
要請書は「患者にどのような負の影響が出るのかを吟味してから結論を出すべき」とし、実態調査の実施などを含め慎重な検討を求めている。