高用量インフルエンザワクチン「エフルエルダ筋注」を2026年10月から定期接種に導入することが厚生科学審議会部会で了承されたことを受け、製造販売元のサノフィは11月21日、「高齢者の健康維持と公衆衛生の向上に大きく寄与する点で意義深い」とする声明を発表した。
エフルエルダは、高齢者のインフルエンザに対する免疫応答を高めるため、標準用量ワクチンの4倍量の抗原を配合した高用量インフルエンザHAワクチン。
60歳以上の成人を対象とした「インフルエンザの予防」の適応で2024年12月に国内での製造販売承認を取得したが、厚科審部会の議論の結果、定期接種の対象者は75歳以上に限定することとなった。60歳以上75歳未満に対するエフルエルダの接種は任意接種となる。
声明の中でサノフィは「60歳以上75歳未満の年齢層においてもインフルエンザの疾病負荷、エフルエルダの科学的なエビデンスが報告されている」と強調。
「米国、英国では65歳以上、ドイツでは60歳以上に対し高用量インフルエンザワクチンの使用が推奨されている」とし、日本でも60歳以上の全員が制限なくエフルエルダにアクセスできる状況の実現に向けて取り組みを進める考えを示している。
65歳以上の成人約4万人を対象としたエフルエルダの海外臨床試験結果
標準用量ワクチンに対する相対的ワクチン有効性(主要評価項目):24.2%
インフルエンザに関連する可能性のある重篤な心肺イベントの相対的有用性(補足的評価項目):17.7%