カート
会員登録
ログイン
地域医療構想の見直し、オンライン診療の推進、医師偏在是正対策などを柱とした改正医療法等が12月5日、参院本会議で可決、成立した。
医療法、医療介護総合確保促進法、健保法などの関連法案を束ねた包括法案である医療法等改正案は、今年2月に閣議決定され、国会に提出。通常国会での成立は見送られ、臨時国会開会後11月19日に衆院であらためて審議入り。自民・維新・公明提出の修正案を含めて11月27日に衆院で可決。12月1日に参院で審議入りし、5日の参院本会議で自民、維新、立憲民主、国民民主、公明などの各党の賛成多数で可決された。共産党、れいわ新選組は反対した。
衆院での修正は、病床再編や医療DXに関する自民・維新・公明の3党合意（2025年6月）に沿ったもので、都道府県による病床数削減支援事業の規定や、2030年12月までの電子カルテ普及率約100％達成などの規定が追加された。
■オン診受診施設創設や外来医師過多区域の規制は2026年4月施行
改正法の施行期日は一部を除いて2027年4月1日。オンライン診療推進のための「オンライン診療受診施設」創設や、医師偏在是正のための「外来医師過多区域」の無床診療所への対応強化（新規開設の事前届出制、保険医療機関指定期間の短縮など）は2026年4月1日に施行される。
医療法等改正案の内容のうちオンライン診療受診施設の創設などに対し医療現場の一部に懸念の声が根強くあり、神奈川県保険医協会は、営利企業による設置が可能なオンライン診療受診施設は「オンライン診療ビジネスのリアルな拠点づくりとなる」などとして反対を表明。全国保険医団体連合会も、オンライン診療受診施設は「医療安全管理が曖昧になる事態が危惧される」と問題視していた。