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■NEWS 医療分野の賃上げ・物価上昇支援に5341億円─政府が補正予算案決定

登録日: 2025.12.01 最終更新日: 2025.12.07

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政府は11月28日、総合経済対策の裏付けとなる2025年度補正予算案を閣議決定した。医療機関・介護施設の処遇改善・経営改善支援を行う「医療・介護等支援パッケージ」には総額1兆3649億円を計上。日本医師会は同日、補正予算の内容を高く評価した上で、「大切なことは(補正予算で)出血を止めた上で、令和8年度(2026年度)診療報酬改定で根治治療を行っていくこと」として、大幅プラス改定を求めるコメントを発表した。

■無床診療所にも賃金分15万円・物価分17万円支給

「医療・介護等支援パッケージ」1兆3649億円の内訳は医療1兆368億円、介護等3281億円。

医療分野の賃上げ・物価上昇に対する支援(予算額5341億円)では①病院に対し1床当たり賃金分8.4万円・物価分11.1万円、②有床診療所に対し1床当たり賃金分7.2万円・物価分1.3万円、③無床診療所に対し1施設当たり賃金分15.0万円・物価分17.0万円─の補助金を支給。

病院に対してはさらに、受入件数に応じた救急対応加算(1施設当たり500万円~2億円)、全身麻酔手術件数や分娩取扱数に応じた加算(1施設当たり800件以上2000万円、2000件以上8000万円)も設ける。

物価分の補助金は、申請した医療機関に対し原則すべて支給。賃金分の補助金は、ベースアップ評価料の届出など賃上げ実現に取り組んでいることが要件となる。

■病床数削減への財政支援は1床当たり410万円

「医療・介護等支援パッケージ」にはこのほか、病床数適正化に対する支援(予算額3490億円)、資本性劣後ローンの創設を含む福祉医療機構による優遇融資等の実施(804億円)、施設整備が困難となっている医療機関に対する支援(462億円)、医療分野の生産性向上に対する支援(200億円)、出生数・患者数減少等を踏まえた産科・小児科に対する支援(72億円)などが盛り込まれた。

病床数適正化に対する支援では「緊急支援基金」を創設し、病床数削減を進める医療機関に対し1床当たり410.4万円(休床の場合は205.2万円)の財政支援を行う。

■日医「2026年度診療報酬改定で根治治療を」

日医は28日に発表したコメントで、これらの補正予算の内容を「医療界全体による切実な訴えが大きく実を結んだもの」と評価。

補正予算は「大量出血の状態にある医療機関に対し一時的に『止血』するもの。大切なことは、出血を止めた上で、令和8年度診療報酬改定で根治治療を行っていくこと。次の改定までの2年間をしっかりとみた改定水準が必要」として、補正予算を「発射台」とした大幅プラス改定が不可欠との考えをあらためて示した。


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