Ⅰ.免疫性血小板減少性紫斑病
免疫性血小板減少性紫斑病(immune thrombocytopenic purpura:ITP)は,抗血小板自己抗体によりオプソニン化された血小板が,脾臓等の網内系細胞によって貪食・破壊され,血小板減少を生じる疾患である。原発性と二次性があり,後者は持続性感染,自己免疫疾患,慢性リンパ性白血病,薬物曝露などが原因である。
▶診断のポイント
【症状】
皮膚・粘膜の出血斑,歯肉出血,鼻出血,下血,過多月経などを認めるが,深部出血は認めない。無症状の場合もある。
【検査所見】
血小板数が10万/µL未満に減少し,他の血小板減少をきたしうる疾患を除外して診断される。血小板関連IgG(PAIgG)は特異性が低く,網状血小板比率(RP%)は高値となることが多い。出血の既往歴,妊娠前の血小板数減少,家族歴が重要である。
