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血液疾患合併妊娠[私の治療]

登録日: 2025.11.13 最終更新日: 2025.11.13

二井理文 (三重大学医学部附属病院産科婦人科講師)

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Ⅰ.免疫性血小板減少性紫斑病

免疫性血小板減少性紫斑病(immune thrombocytopenic purpura:ITP)は,抗血小板自己抗体によりオプソニン化された血小板が,脾臓等の網内系細胞によって貪食・破壊され,血小板減少を生じる疾患である。原発性と二次性があり,後者は持続性感染,自己免疫疾患,慢性リンパ性白血病,薬物曝露などが原因である。

▶診断のポイント

【症状】

皮膚・粘膜の出血斑,歯肉出血,鼻出血,下血,過多月経などを認めるが,深部出血は認めない。無症状の場合もある。

【検査所見】

血小板数が10万/µL未満に減少し,他の血小板減少をきたしうる疾患を除外して診断される。血小板関連IgG(PAIgG)は特異性が低く,網状血小板比率(RP%)は高値となることが多い。出血の既往歴,妊娠前の血小板数減少,家族歴が重要である。


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