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急性前骨髄球性白血病(APL)[私の治療]

登録日: 2025.11.16 最終更新日: 2025.11.16

横山泰久 (国立国際医療研究センター病院輸血室医長/血液内科)

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急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia:APL)は急性骨髄性白血病の一種であり,末梢血・骨髄で異常なAPL細胞(芽球・異常前骨髄球)の増加を認める。ほとんどの症例でPML::RARA融合遺伝子が同定される。高率に播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)を合併する。分化誘導療法により予後は良好である。

▶診断のポイント

線溶亢進型のDICによる強い出血症状を契機とした受診が多い。貧血,血小板減少がみられる。白血球数は減少から増加まで様々だが,増加していることのほうが少ない(約2割)。骨髄塗抹標本ではAPL細胞の増加を確認する。細胞質内にAuer小体を多数持つfaggot細胞の存在は診断的価値が高い。ごく一部の例外を除き,PML::RARA陽性をもって確定診断となる。


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