いかなる原因においても痙攣重積状態は,中枢神経にダメージを与える。そのため,一刻も早く痙攣を停止することは初期治療として重要である。
かつては30分以上の痙攣継続で重積状態と判断されたが,現在では5分の継続・繰り返す再発で重積状態と判断される。
▶病歴聴取のポイント
発症時に,強直性(全身・四肢を伸ばして硬直する状態)・間代性(一定のリズムでガクガクと屈曲伸展を繰り返す状態),全身発作(左右差なし)・部分発作(左右差あり),共同偏視(てんかん時は痙攣側に向く,広範囲脳卒中の場合は非痙攣側に向く)の目撃情報は重要である。また抗てんかん薬の内服歴は,薬物治療において重要な情報となる。
▶バイタルサイン・身体診察のポイント
痙攣,特に重積中は気道評価・確保が重要である。口腔内分泌物や吐物を排出することができないので,必要があれば適宜吸引を行う。気道確保とともに呼吸状態は予後を左右するので,呼吸不全であれば必要時は気管挿管も考慮する。
病歴聴取時に記載した身体所見は,てんかんによる痙攣評価に重要である。痙攣停止後のトッド麻痺(痙攣肢の一過性麻痺)の出現は,痙攣重積をより疑わせる。
