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救急医が新しい医療機器をつくろうと思い立った話(間藤 卓)[プラタナス]

登録日: 2025.11.06 最終更新日: 2025.11.18

間藤 卓 (自治医科大学医学部救急医学講座教授/自治医科大学附属病院救命救急センターセンター長)

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救命救急はつらいことも多いが、気づきや学びに溢れ、患者から学ぶことも多い。チョコレートやココアに含まれるカカオの医療応用、ブドウ糖90%以上であることを活用したラムネ菓子の再評価、そして我々が開発したMET光ガイドカテーテルシステム(GtPS)もきっかけは臨床であった。

ある日、他院から胃管の誤挿入により救急入院となった患者がいた。病状説明をしたとき、ご家族から「先生、人が月に行く時代に管の先が胃か肺かもわからないのですか?」と質問をされた。頭を殴られたような気分になり、その日にGtPSの開発に着手した。

胃、胃酸、pH……の連想から、胃管に入る極小のpHセンサーをつくれる会社を探した。そうして出会ったのが、その後、開発の苦労を共にすることになるE氏だった。しかし、開発はすぐに行き詰まった。H2 blockerやPPIを投与していると胃内のpHが十分に下がらず、pHでは判定が難しいのだ。


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