血管肉腫は非常に稀な悪性軟部腫瘍とされ,皮膚に生じるタイプは全体の半数を占めており,特に頭部に所見を呈することが多い。また,二次性に出現するものとして,慢性リンパ浮腫や放射線照射に続発するタイプもある。前者はStewart-Treves syndromeとして扱われ,乳癌や婦人科疾患で生じ,後者は乳癌部分切除後の放射線照射で多いとされている。
▶診断のポイント
紅色~紫色を呈する斑状,結節,潰瘍のそれぞれの所見を頭部に認める。斑状と結節病変が混在するタイプが多いとされている。高齢者の頭部,顔面に難治性の紫斑を伴う病巣が生じた場合は,本疾患を念頭に置く必要がある。
