リンパ循環の異常により,進行性の浮腫および局所免疫不全をきたす疾患の総称。リンパ循環異常の原因が明らかな二次性リンパ浮腫と,原因不明な原発性リンパ浮腫に大別される。わが国ではがん治療(リンパ節郭清や放射線照射)後の二次性リンパ浮腫が,世界規模ではバンクロフト糸状虫感染による二次性リンパ浮腫が多数を占める。
▶診断のポイント
進行性の浮腫(圧痕性浮腫から始まり脂肪沈着による非圧痕性浮腫へと変化)や蜂窩織炎,リンパ漏・囊胞などの皮膚病変がみられる。がん治療後で進行性の浮腫があればリンパ浮腫を疑うが,リンパ浮腫の確定診断には他の浮腫をきたしうる疾患を除外した上で,リンパシンチグラフィやインドシアニングリーン(ICG)リンパ管造影などのリンパ画像検査で異常リンパ循環(dermal backflow:DB)を検出する必要がある。
