AYA(adolescent and young adult:思春期・若年成人)世代とは,思春期・40歳未満の若年成人を指す。ライフステージが大きく変化するこの時期にがんを発症した場合,就学・就労,結婚や子育て,経済的問題など一人ひとりのニーズに合わせた,より細やかな支援が必要になる。
わが国におけるAYA世代のがんの罹患数は年間約2万人(全年代の約2%),がんによる死亡数は年間約2000人(全年代の約0.5%)である。AYA世代のがん患者の約6割が「最期は自宅で過ごしたい」と回答している1)。
▶制度面の知識
2000年4月から介護保険制度が施行され,2006年4月から特定疾病に「がん」が追加され,40歳以上のがん患者は在宅療養するにあたり介護保険サービスを利用できるようになった。また,小児慢性特定疾病医療費助成制度は,医療費助成や日常生活用具給付を利用可能であるが,新規申請は18歳未満が対象となっている。すなわち,両者のはざまに位置するAYA世代のがん患者の在宅療養を支援する制度は整っていない。
