臍ヘルニアは新生児の4%に認められ,性差はない。低出生体重児や染色体異常児では高率に認められる。生後に臍帯が脱落した後,臍輪部は皮膚に覆われ,臍帯血管などが瘢痕化して臍輪が収縮する。瘢痕組織や筋膜で臍輪が完全に閉鎖されずに孔が残ると臍ヘルニアとなる。生後数日~数週間程度で顕在化し,生後2~3カ月頃にはピークとなる。自然閉鎖傾向が強く,1歳までに80%,2歳までの90%が自然閉鎖する1)。
▶診断のポイント
触診で臍基部の筋膜欠損部であるヘルニア門が触知され,腹圧上昇でヘルニア増大および膨隆部の用手還納が容易であるなどの臨床症状から診断は容易である。ヘルニア門が閉鎖しており,臍部の余剰皮膚のみが突出した状態は臍突出症と呼ぶ。
