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性器の形態異常[私の治療]

登録日: 2025.10.30 最終更新日: 2025.10.30

杉本澄美玲 (奈良県立医科大学産婦人科学講座) 木村文則 (奈良県立医科大学産婦人科学講座教授)

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外陰と腟下部1/3は尿生殖洞から,腟上部2/3と子宮・卵管はミュラー管から発生するが,これらの分化過程に異常が起こると,様々な性器の形態異常を生じる。代表的な疾患には,①腟閉鎖,②腟欠損症〔特に機能性子宮がない場合をMayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群と言う〕,③Wunderlich症候群,④obstructed hemivagina and ipsilateral renal anomaly(OHVIRA)症候群などがある。思春期以降では,無月経,月経モリミナ,月経困難症や下腹部痛を主訴とすることが多い。生殖年齢以降では不妊症,流産や早産の原因となる可能性がある。腎尿路奇形を合併する頻度が高いことに留意する。

▶診断のポイント

【診断方法】

問診により,年齢に応じて,無月経,月経困難症や月経後の腹痛,月経後の性器出血,流早産の既往,不妊,骨盤内腫瘤や子宮内膜症,腎尿路・骨格・聴覚系の合併奇形の有無などを確認する。腟鏡診,内診(直腸診),超音波検査,骨盤MRI,子宮卵管造影,子宮鏡などで性器形態異常を評価する。また,腎尿路奇形の合併の有無について,超音波検査や腎尿路造影検査が有用である。


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