本連載では,医師限定オンラインサロン「ドクターズチャート」の代表であるMM先生,よいこはこいよ先生に,ドクターズチャート内での話題をもとに,イマドキの開業・開業医について語って頂きます。
MM:ドクターズチャート代表。開業10年以上の医療法人理事長。Ph.D.。 Xフォロワー2万人。
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よいこはこいよ:ドクターズチャート代表。医学博士,内科医,クリニック院⻑。Xフォロワー1万人。
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4000名の開業医/準備医師が参加する情報交換型オンラインサロン
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──今回は,SNS等でもたびたび話題に上る,医局との関わりについて,クリニック開業医の視点から,語って頂きます。
医局を辞めるとき
──医局については,ネガティブな意見もありますが,一方で「こういう付き合い方をすればうまくいく」といった意見も聞きます。今日は,そうした医局とのちょうどいい距離感について伺えればと思っています。
MM よいこ先生も私も,開業してからも医局との関わりはありますが,まずは,医局を辞めるときのことから話題にしてみましょうか。よいこ先生は,比較的早めの開業だったと思いますが,医局を出るときって,どんな感じでしたか?
よいこはこいよ(以下,よいこ) 教授に挨拶に行って「こういう形で独立したいと思っています」と伝えたら,「今じゃなくてもいいんじゃないか」と言われて。心の中では「いやいや,今やりたいんです」と思ってたんですけど(笑)。何度かそんなやりとりをして,喧嘩別れではなく,最終的に認めてもらった形でした。関係が悪くなったわけではなく,開業してから数年は,研究会の案内が来たり,参加したりしていました。医局員ではないけれど,関係が完全に切れているというわけでもない。
MM 医局によっては,開業となると反対されたり,逆にあっさり認めてくれたり,教授のスタンスで全然違いますよね。
よいこ うちの教授は「医局を離れたら敵だ」みたいなタイプではなくて。もちろん引き止めはありましたけど,最終的には送り出してくれました。教授としては,大学院生にもキャリアを築いてほしいという思いがあるので,「そんなこと考えてたのか」という反応はありましたが,最終的には「しょうがないか」という感じでしたね。医局によっては「もうあそことは付き合うな」というような厳しいところもあると聞きますが,私のところはそういう陰湿さはまったくなく,穏やかでした。
MM 教授の出身や人柄によっても雰囲気は変わりますよね。
よいこ そうですね。本当に教授のキャラクター次第で,医局の色が決まると思います。MM先生のときはどうでしたか?
MM 私の場合はどちらかというとマイナー科なので,もともと人数が少ないんです。だから,1人辞めるとインパクトが大きい。私の学年では,私を含めて2人。途中から入った人を入れても3人しかいませんでした。現実的に,誰かが抜けるとポストが回らないとか,そういう問題も出てくるので,「どんどん出ていっていいよ」とはなかなか言えない空気はありました。
よいこ 診療科や医局の規模にもよりますね。
MM ただ,その中でも私は少し早めに開業を決意して,まず教授に伝えに行ったんです。博士号と専門医を取ったタイミングでの開業だったので,教授からすると「今それ言うのか!」という感じだったと思います。でも,自分の中ではもう決めていたので,土下座してでも出るつもりで教授に話しまして,最終的に教授も納得してくれました。今では関係も良好で,非常勤講師という形で籍を置かせてもらっていますし,医局の先生方にバイトに来てもらうこともあります。