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■NEWS 「OTC類似薬」「保険料」で幅のある表現─自民・維新連立政権合意書

登録日: 2025.10.21 最終更新日: 2025.10.21

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自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表は10月20日、自民・維新の連立政権を樹立することで合意した。維新は当面、閣僚を出さない「閣外協力」にとどめる方針。これで高市首相の誕生は確実となった。

両党で取り交わした連立政権合意書

連立政権合意書に盛り込まれた12項目の政策のうち「社会保障政策」では、OTC類似薬について「保険給付の見直し」ではなく「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」と記載。維新が強く主張してきた社会保険料引下げについても「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」と記載するなど、幅のある表現が目立つ。

■「病院の経営状況好転させるための施策を実行」と明記

日医など医療団体が大幅引上げを求める2026年度診療報酬改定については、直接的な表現はないものの「病院・介護施設の経営状況を好転させるための施策を実行する」と明記している。

両党は社会保障改革に関する協議体を設置し、インフレ下での医療給付費のあり方、中医協改革、真に公平な応能負担の実現、診療報酬体系の抜本的見直しなどを含む社会保障改革の骨子について2025年度中に合意し、2026年度中に具体的な制度設計を行うとしている。

連立政権合意書に盛り込まれた社会保障政策は下記の通り。

【連立政権合意書に盛り込まれた「社会保障政策」(全文)】

  • OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し、金融所得の反映などの応能負担の徹底等、令和7年通常国会で締結したいわゆる「医療法に関する三党合意書」及び「骨太方針に関する三党合意書」に記載されている医療制度改革の具体的な制度設計を令和7年度中に実現しつつ、社会保障全体の改革を推進することで、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す。
  • 社会保障関係費の急激な増加に対する危機感と、現役世代を中心とした過度な負担上昇に対する問題意識を共有し、この現状を打破するための抜本的な改革を目指して、令和7年通常国会より実施されている社会保障改革に関する合意を引き継ぎ、社会保障改革に関する両党の協議体を定期開催するものとする。
  • 令和7年度中に、以下を含む社会保障改革項目に関する具体的な骨子について合意し、令和8年度中に具体的な制度設計を行い、順次実行する。
  1. 保険財政健全化策推進(インフレ下での医療給付費の在り方と、現役世代の保険料負担抑制との整合性を図るための制度的対応)
  2. 医療介護分野における保険者の権限及び機能の強化並びに都道府県の役割強化(①保険者の再編統合、②医療介護保険システムの全国統合プラットフォームの構築、③介護保険サービスに係る基盤整備の責任主体を都道府県とする等)
  3. 病院機能の強化、創薬機能の強化、患者の声の反映及びデータに基づく制度設計を実現するための中央社会保険医療協議会の改革
  4. 医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現
  5. 年齢に関わらず働き続けることが可能な社会を実現するための「高齢者」の定義見直し
  6. 人口減少下でも地方の医療介護サービスが持続的に提供されるための制度設計
  7. 国民皆保険制度の中核を守るための公的保険の在り方及び民間保険の活用に関する検討
  8. 大学病院機能の強化(教育、研究及び臨床を行う医療従事者として適切な給与、体系の構築等)
  9. 高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善(診療報酬体系の抜本的見直し)
  10. 配偶者の社会保険加入率上昇及び生涯非婚率上昇等をも踏まえた第三号被保険者制度等の見直し
  11. 医療の費用対効果分析に係る指標の確立
  12. 医療機関の収益構造の増強及び経営の安定化を図るための医療機関の営利事業の在り方の見直し
  13. 医療機関における高度医療機器及び設備の更新等に係る現在の消費税負担の在り方の見直し
  • 昨今の物価高騰に伴う病院及び介護施設の厳しい経営状況に鑑み、病院及び介護施設の経営状況を好転させるための施策を実行する。

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