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緊張型頭痛[私の治療]

登録日: 2025.10.18 最終更新日: 2025.10.18

古和久典 (国立病院機構松江医療センター院長)

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緊張型頭痛は,国際頭痛分類第3版(ICHD-3)1)の中では一次性頭痛に分類される。頭痛の発作頻度により,稀発反復性(年間12日未満),頻発反復性(年間12日以上180日未満),慢性(年間180日以上)の3タイプに分類される。生命に影響を直接及ぼすことはないが,発作頻度が上昇するにつれて,特に慢性化すると,生活への支障や影響が大きくなるため,受診動機となる。

▶診断のポイント

ICHD-31)の診断基準に則って診断する。緊張型頭痛の診断基準は以下の通り。

今までに10回以上経験した原因のない頭痛で,頭痛のために寝込むことはなく,一般には日常生活への影響も大きくない。歩行や階段昇降といった日常の動作によって頭痛が増悪することはなく,反復性の場合には悪心や嘔吐はなく,光・音過敏も伴わない。一方,慢性緊張型頭痛では,光過敏,音過敏,軽度の悪心のいずれか1つを認めることがある。

いわゆる「肩こり」は,緊張型頭痛の特異的所見ではなく,片頭痛患者でも高頻度で認めるため,以前から指摘されている通り両者の鑑別に役立たない。

緊張型頭痛では,一般身体所見や神経学的所見に異常はなく,もしあれば二次性頭痛の可能性を疑う。


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