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■NEWS 国立大学病院が400億円の赤字見込み「過去最大の危機を迎えている」

登録日: 2025.10.10 最終更新日: 2025.10.10

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国立大学病院長会議は10月3日に記者会見を開き、大鳥精司会長(千葉大学医学部付属病院長)は2025年度の国立大学病院全体の経常損益について「400億円を超える可能性がある」と報告、「過去最大の危機を迎えている」と窮状を訴えた。

会見で大鳥会長は、2025年度第一四半期の実績を基に試算した年度収支の見込みを説明。主な支出増の要因として①医療の高度化に伴う高額な医薬品、診療材料の使用量増及び価格高騰による医療費、②エネルギー価格高騰の影響による光熱水費、③働き方改革、人事院勧告の影響による人件費、④物価高騰、賃金の増加による業務委託費や保守費等─の4点を挙げた。支出増の影響で、現金収支マイナスの国立大学病院は2024年度の25病院から33病院に8病院増加するとの見通しを示し、本院の44施設合計の現金収支見込は126億円悪化して330億円の赤字、2025年度の損益見込は400億を超える赤字となる可能性があると述べた。

大鳥会長は施設・設備費が76億円と前年比で27%減少し、収支改善のために本来必要な整備投資を各病院が先送りしている状況を懸念。2024年度までの経営悪化分と2025年度の補てん不足分に加えて、2026年度から2カ年の賃金上昇など支出増加を踏まえ2026年度改定では病院に関する診療報酬について11%のプラス改定を要望した。


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