検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

挫傷・挫創[私の治療]

登録日: 2025.10.08 最終更新日: 2025.10.08

光澤定己 (京都大学医学部附属病院整形外科)

お気に入りに登録する

交通事故,転倒,打撲などの鈍的外力が加わり組織損傷が生じた際に,皮膚表面の断裂を伴わないものを挫傷,伴うものを挫創と言う。挫傷では筋肉,血管,神経などの内部組織に対する損傷が主で,腫脹,疼痛,皮下出血などが特徴である。一方,挫創では一般に出血が多く,外部からの感染リスクも高まり,洗浄と縫合処置を要することが多い。

▶診断のポイント

外力の種類,受傷発生状況を聴取し,特に高エネルギー外傷や長時間の圧挫があった場合にはコンパートメント症候群も念頭に置く。挫傷では腫脹,圧痛部位,皮下出血部位を評価する。挫創では出血量,汚染程度や異物混入の可能性などを評価する。超音波,X線,CT,MRIなどを用いて軟部組織損傷の程度と骨折の有無を確認する。抗血小板薬や抗凝固薬の内服のほか,重度肝障害などの持病により凝固障害があると,創部からの出血や皮下出血が高度になることがあるために注意を要する。


1 2