ペニシリン耐性肺炎球菌(penicillin resistant Streptococcus pneumoniae:PRSP)による感染症である。副鼻腔炎,中耳炎,肺炎などの気道感染症については,感受性菌と比べて予後に差はないとされるが,髄膜炎については予後の悪化がみられる。小児に対する結合型肺炎球菌ワクチンによって,耐性の割合が高かった血清型が減少したことによりPRSP感染症は減少した。
▶診断のポイント
感染部位を反映する検体(肺炎:喀痰,髄膜炎:髄液,菌血症:血液)のグラム染色および培養検査を行い,結果に基づいて診断する。PRSPの定義は,ペニシリンGに対する最小発育阻止濃度(MIC)によって決められ,検出された部位によって解釈が異なる(表)。

