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重症筋無力症[私の治療]

登録日: 2025.10.13 最終更新日: 2025.10.13

中根俊成 (富山大学附属病院脳神経内科診療副科長/准教授)

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重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)は,神経筋接合部のシナプス伝達が障害される自己免疫性疾患である。2018年の全国疫学調査では,患者数は2万9210人,人口10万人当たり23.1人であった。

▶診断のポイント

【症状】

反復動作によって増強する易疲労性と筋力低下をきたし,夕方に悪化する日内変動が特徴的である。全経過を通じて眼症状のみに限局する眼筋型(眼瞼下垂,複視)が20%を占める。

【検査】

眼瞼の易疲労性試験,アイスパック試験,塩酸エドロホニウム試験がある。電気診断では反復神経刺激法(低頻度)により漸減現象を,単一線維筋電図ではjitterを認める。アセチルコリン受容体(AChR),筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)のいずれかに対する自己抗体を約9割のMG患者の血清中で認める。胸腺病変のスクリーニングは必須である。


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