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本態性高血圧症[私の治療]

登録日: 2025.10.11 最終更新日: 2025.10.11

苅尾七臣 (自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授)

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高血圧は,脳卒中,心筋梗塞,心不全,大動脈解離など急性循環器疾患の最大のリスク因子のひとつである。
循環器疾患のリスクは,115mmHgを最低にして,収縮期血圧が20mmHg上昇するごとに2倍ずつ上昇する。わが国の高血圧患者は約4300万人と推定される。降圧目標は130mmHg未満である。

▶診断のポイント

【方針】

①血圧レベル(診察室外血圧),②合併症と臓器障害・リスク因子,③二次性高血圧の3視点から高血圧患者を評価する。

すべての高血圧患者には家庭血圧測定が推奨され,高血圧診断と降圧治療目標は,診察室血圧よりも家庭血圧,特に早朝家庭血圧をより重要視する。著しい血圧変動や治療抵抗性高血圧,臓器障害,循環器疾患の既往等を有するハイリスク群では,24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行うことが望ましい。カフレス血圧は高血圧の診断と治療に使用しない。

睡眠時無呼吸症候群,糖尿病,慢性腎臓病,心不全を合併する患者や,降圧療法中にもかかわらず心肥大やアルブミン尿の改善がみられない患者では,ABPMまたは夜間家庭血圧計で夜間血圧を評価することが望ましい。

悪性疾患に対する分子標的薬による治療で血圧が急激に上昇する場合があることを念頭に置く。

日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025』を参照されたい。


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