性器出血のうち,月経と関係のない不規則な出血を不正性器出血と言い,病的なものとして扱う。不正性器出血は子宮由来であることが多く(異常子宮出血),産婦人科疾患の中でも頻度の高い症状である。
▶病歴聴取のポイント
不正性器出血は,器質性出血と機能性(非器質性)出血に大別され,まず器質的疾患の有無を鑑別する。器質的疾患には,妊娠性の病態,炎症,良悪性腫瘍,外傷等がある。機能性出血は主に内分泌異常に伴うもので,性成熟期では排卵性が,思春期,更年期では無排卵性が多い。女性のライフサイクルの中で内分泌的環境は大きく変化することから,年代ごとの特徴や疾患頻度を考慮する。
