検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

汗疱・異汗性湿疹[私の治療]

登録日: 2025.10.06 最終更新日: 2025.10.06

室田浩之 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科病態学分野教授))

お気に入りに登録する

汗疱・異汗性湿疹は性別・年齢を問わず,掌蹠にみられる再発性の小水疱である。両者は同義病名とされる。掌蹠に小水疱が生じ,炎症を合併すると瘙痒を伴うことがある。小水疱の起源が汗の滞留によるか,表皮海綿状変化によるかは諸説あり,結論は出ていない。時間経過とともに膜様の落屑が水疱の中央から生じ遠心性に広がり融合する。異汗性湿疹を含む手湿疹は新たなアレルギー感作の原因になるとの指摘もある。

▶診断のポイント

本症の誘因として乾燥,皮膚炎,多汗,精神的ストレス,金属アレルギーなどが報告されている。KOH鏡検により白癬や疥癬などを鑑別する。掌蹠膿疱症,自己免疫性水疱症の鑑別のため皮膚病理検査および血液検査(血液中の自己抗体の有無の確認),パッチテストによるアレルギー検査(金属,日用品,職場の被疑抗原など)を行う。


1 2