救急医療を支える若手医師には,知識・技術はもちろんのこと,心の鍛錬も求められるようになってきていると感じます。年寄りの説教にならないように,若手医師に救急現場で教育するにはどうすればよいでしょうか。
国保旭中央病院・坂本 壮先生にご解説をお願いします。
【質問者】
岩田充永 藤田医科大学救急医学・総合内科学講座 主任教授
【回答】
【限られた時間での教育は,調べ方と指導内容の選定が重要である】
救急現場での教育方法を体系的に学んだことがある方は,どのくらいいるでしょうか。多くの場合,なんとなく見よう見まねで指導が行われているというのが現状かもしれません。私も,初期・後期研修医とともに救急外来で働いていますが,特定の教育法を確立しているわけではありません。それでも,彼らと日々接する中で,意識しているポイントがいくつかあります。以下にその点をお伝えします。
私が医学部を卒業した2008年にソフトバンクからiPhoneが発売され,携帯電話業界に革命が起こりました。3Gネットワークに接続することで,iPhoneは「ポケットの中の頼れる相棒」となり,困ったときにすぐに答えを得られるツールとなりました。それから15年以上が経過し,現在ではiPhone17が登場し,進化のスピードは日々私たちの想像を超えています。さらに,ChatGPTやPerplexityといったAIツールも手軽に利用でき,LINE,YouTube,X(旧Twitter),Instagram,Facebook,TikTokなどのSNSを使いこなすことが当たり前の時代となっています。