大腸内視鏡検査において,画像強調内視鏡(image-enhanced endoscopy:IEE)をどのように使用していますか。また,IEE観察が大腸内視鏡検査の精度や病変の検出率にどのように影響を与えるかなどについて教えて下さい。
筑波大学・坂本 琢先生にご解説をお願いします。
【質問者】
松田尚久 東邦大学医療センター大森病院消化器内科 教授
【回答】
【各観察法の特性に応じた選択によって,病変の発見から評価に至るまで,診断能を効率的に向上させることが可能である】
IEEは,内視鏡画像を強調し,病変を認識しやすくする技術で,光学法,デジタル法,光デジタル法,色素法に分類されます1)。デジタル法は病変の視認性向上を目的とし,linked color imaging(LCI)やtexture and color enhancement imaging(TXI)が代表例です。光デジタル法は分光特性を利用し,narrow band imaging(NBI),blue laser imaging(BLI)などが,粘膜や微細構造の視認性を向上させます。色素法には,粘膜を染色する染色法(ピオクタニンなど)や,色素が溝に溜まり凹凸を強調するコントラスト法(インジゴカルミン)があり,それぞれ独自の特徴を持ちます。これらを適切に使用することで,白色光だけでは得られない付加価値を提供できることが報告されています。