MSDは9月2日、肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬「エアウィン」(一般名:ソタテルセプト)が8月に発売されたことを受けてメディア向けセミナーを開催した。講演した久留米大医学部内科学講座主任教授の福本義弘氏(写真)は「PAHの進行を根本から抑えることを目指す新しい時代が来た」と期待感を示した。

エアウィンは、PAHの本態である肺血管リモデリング(肺血管を構成する細胞が異常に増殖し、血管の壁が厚くなること)を標的とする世界で唯一のアクチビンシグナル伝達阻害剤。細胞増殖を促進するアクチビンシグナル伝達を阻害することでシグナル伝達のバランスを改善。肺血管平滑筋細胞の増殖抑制により血行動態を改善する効果があるとされる。
福本氏は、PAHの既存治療薬はいずれも血管収縮を標的としたものだったと説明。PAHの進行が進むにつれて血管収縮よりも肺血管リモデリングの寄与率が上昇することや、日本循環器学会と日本肺高血圧・肺循環学会が3月に公表したガイドラインで、初回診断時には既存治療薬のみの併用療法を行い、3~4カ月後に行うフォローアップのリスク評価で、中リスクまたは高リスクと判断される場合、同剤の投与を検討するという治療アルゴリズムが記載されていることなどから、「エアウィンの投与は既存薬との併用が前提になるだろう」との見方を示した。
「エアウィン」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】肺動脈性肺高血圧症
【用法・用量】通常、成人には初回に0.3mg/kgを投与し、2回目以降は0.7mg/kgに増量し、3週間ごとに皮下投与する