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Ⅲ度熱傷を家で治したい(真崎茂法)[プラタナス]

登録日: 2025.09.19 最終更新日: 2025.09.26

真崎茂法 (宮の森記念病院外科・消化器科副院長)

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「手術はイヤだ! 家にいたい! 通いで治るならいくらでも通って来てやるよ!」。患者は威勢よく言った。50歳代のその患者は脳梗塞の後遺症で左片麻痺があり、自宅で転倒してストーブに接触し、左大腿部にⅢ度熱傷を負っていた。熱傷の大きさは7×18cm。Ⅲ度熱傷は基本的に手術が行われることが多いが、小範囲であれば保存的治療も選択肢になりうる。しかし保存的治療の場合、治癒までに比較的長い期間を要する。私は、この患者は手術を受けたほうがよいと思った。なぜなら、患者は内服薬を自己中断したり、禁煙外来に通っている間もたばこを吸ったりしていて療養生活が真面目とは言いがたく、保存的治療を行ったとしても最後までそれを遵守できるとは思えなかったからだ。それならば手術を受けてより早く治ったほうがきっとよい、と思ったのだ。


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