在宅医療の現場では,患者さん本人の意思が明確であっても,家族間で意見の相違が生じることはめずらしくありません。特に,遠方に住んでいるなど,普段あまり関わりがなかったご家族が,急に終末期の場面に登場することで,それまでに築き上げてきたケアの方針が揺らいでしまうこともあります。そのようなとき,医療者は誰の意見に耳を傾けるべきなのか,そしてどのように状況を整理し,ご家族との対話を進めていけば良いのか。今回,ご紹介するのは,「人生会議」を通して最期の迎え方を明確にしていたにもかかわらず,ご家族の思いが交錯することで現場が混乱し,最終的には患者さん本人の意思をどう守るかが問われた2つのケースです。
家族間で意見が異なる場合[たんぽぽ先生の〈パターンで考える〉在宅医療の実践(13)]
登録日: 2025.09.19 最終更新日: 2025.09.26
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