診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会は7月31日、医師の働き方改革と診療科偏在を巡り議論した。働き方改革では「地域医療体制確保加算」についてコストに見合った評価に引き上げるべきといった意見が示された。
「地域医療体制確保加算」は救急医療等に従事する病院勤務医の勤務環境と処遇改善の促進を目的として、2020年度診療報酬改定で創設。施設基準では救急搬送受け入れが年間2000件以上であることなどが求められている。
厚生労働省の分析によると、当該加算の届出医療機関は非届出医療機関よりも休日・時間外労働の平均値や最大値が長い傾向にある。これに対して勤務環境の現状把握・分析をしている割合やICTを活用した業務見直しの実施割合は非届出医療機関よりも高くなっており、休日・時間外労働時間の平均値や最大値は23年度から24年度にかけて減少していた。
津留英智委員(全日本病院協会常任理事)は、届出医療機関では年間2000件以上の救急搬送受け入れに対応するための医師の確保に多大なコスト負担が生じていると説明し、「この加算はもっと評価されていいのではないか」と訴えた。
■若手消化器外科医は過去10年で15%減少、高度手術の集約化などが論点に
医師の診療科偏在では消化器外科医減少への対応が論点となった。厚労省のデータによると、外科領域の医師数はほとんどの診療科で増加基調にある中、一般外科と消化器外科のみが一貫して減少。特に40歳未満の若手消化器外科医は過去10年間で15%減と、大幅に減少している。
このため消化器外科医は全国各地に広く分散する形となり、消化器外科領域の高度な手術の実施件数は年間40件未満の医療機関が大勢を占める。その一方で大学病院本院は、ほぼすべてで年間80件以上の手術が行われている。
委員の意見は高度な手術やそれを担う医師の集約化が必要との点で概ね一致したが、「胆石のような一般的な手術は均てん化が必要であり、集約化と均てん化のバランスを取ることが重要」「集約化だけでなく、給与の引上げを含む処遇改善をセットで進めなければ効果は期待できない」といった指摘があった。