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糖尿病合併症(神経障害)[私の治療]

登録日: 2025.03.23 最終更新日: 2026.02.21

麻生好正 (獨協医科大学内科学(内分泌代謝)教授/同大学病院病院長)

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糖尿病性神経障害は,糖尿病に特有な細小血管症(網膜症,腎症を含めた三大合併症)のひとつであり,三大合併症の中で最も頻度が高い。病型として,遠位性左右対称性神経障害(感覚・運動神経障害),有痛性神経障害(神経障害性疼痛),自律神経障害,局所性神経障害(単神経障害)などがある。自律神経障害では,起立性低血圧,胃不全麻痺,下痢,神経因性膀胱,勃起障害(erectile dysfunction:ED),発汗異常,無自覚性低血糖などを呈する。

▶診断のポイント

簡易診断基準として①糖尿病性神経障害に基づくと思われる自覚症状(両下肢のしびれ,痛み,異常感覚),②両側アキレス腱反射の低下あるいは消失,③両側内踝の振動覚低下があり,3項目のうち2項目以上を有する場合,「多発性(感覚・運動)神経障害あり」と診断する。

自覚症状では,両足趾・足底から症状が出現し,「足底に薄皮が1枚張っている」といった異常感覚,足趾・足底のしびれ・痛みなどの感覚異常を訴える。運動神経障害として,こむら返り,筋力低下がみられる。


Ⅰ.遠位性左右対称性神経障害(感覚・運動神経障害)

▶私の治療方針・処方の組み立て方

治療の基本は低血糖を回避した良好な血糖コントロールであり,原則,HbA1c 7.0%未満の達成をめざす。血圧,脂質の心血管危険因子の適切なコントロール,禁煙などの包括的管理が重要となる。

▶治療の実際

異常感覚,しびれなどの感覚障害が治療対象になる。薬物療法として,アルドース還元酵素阻害薬であるキネダック(エパルレスタット)には,しびれ,知覚異常,こむら返りの改善作用が示されているが,疼痛抑制効果は期待できない。また,メトホルミンを高用量投与中の患者の場合,ビタミンB12製剤が有効な場合がある。


一手目 キネダック50mg錠(エパルレスタット)1回1錠1日3回(毎食前)

二手目 〈メトホルミンを高用量投与中の患者の場合,一手目に追加〉メチコバール500μg錠(メコバラミン)1回1錠1日3回(毎食後)


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