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人工呼吸中の肺音[聴いて覚える肺聴診ギャラリー(23)]

登録日: 2024.09.17 最終更新日: 2026.02.21

長坂行雄 (洛和会音羽病院/洛和会京都呼吸器センター参与)

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症例 人工呼吸管理となった77歳男性

胸膜肺実質線維弾性症(pleuroparenchymal fibroelastosis:PPFE),気管支拡張症,誤嚥性肺炎でしたが,気胸で急激に悪化し心肺停止となり,挿管人工呼吸で蘇生しました。その後,気胸は治癒しましたが,意識のない状態で1週間後に気管を切開し,人工呼吸器にて管理中になります。図1は肺音採取時の胸部X線になります。

人工呼吸中で自己体動はありません。画像でも気胸はなく,PPFEの線維化も目立ちません。このため吸気音が大きいのはPPFEのためではなく,人工呼吸中である要素が大きいと考えられます。また,るい痩も目立ち,薄くなった軟部組織で肺音が吸収されにくいために,さらに大きな呼吸音が聴こえやすくなります。図2上段に示す頸部で,下段で認められる低周波のチューブでの反響音が聴こえないのは,この間の軟部組織で吸収されてしまうためと考えられます。前胸部では肺(実際には呼吸音を発生する区域あるいは亜区域以上の太い気管,気管支)から胸壁までは2~3cm程度の距離ですが,痩せていても肺から頸部までは15cm程度の距離があるため,その間の軟部組織で低周波の音は減弱してしまうと考えられます。

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