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妄想症/妄想性障害[私の治療]

登録日: 2024.04.09 最終更新日: 2025.09.20

針間博彦 (東京都立病院機構東京都立松沢病院副院長)

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妄想症/妄想性障害(delusional disorder)1)2)では,単一の妄想あるいは関連する妄想群が長期間持続する。妄想は時間とともに進展することがある。発症年齢は思春期から老年期まで幅がある。

▶診断のポイント

【症状】

妄想の内容には様々な種類がある(表)。これらはいずれも統合失調症など他の疾患にもみられるので,診断は妄想の確認と他疾患の除外からなる。

妄想に直接関係する言動を除けば,患者の会話・感情・行動はしばしば正常である。そのため,周囲の人には異常を気づかれないことがある。

妄想に対する二次的反応として,抑うつなど気分の異常がみられることがある。

後に幻聴など他の症状が顕在化し,統合失調症に診断が変更されることがある。

醜形妄想や自己臭妄想のみが存在する場合は,妄想症ではなく,それぞれ身体醜形症,自己臭関係付け症と診断される。

【検査所見】

器質性の障害と精神作用物質使用による障害を除外するため,身体疾患の検索と薬物スクリーニング検査などが必要である。


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