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巨赤芽球性貧血[私の治療]

登録日: 2024.02.15 最終更新日: 2025.09.20

高見昭良 (愛知医科大学内科学講座(血液内科)教授)

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▶治療の実際

【ビタミンB12欠乏症】

原則として,ビタミンB12製剤の非経口投与(筋注または皮下注)を行うが,軽症の場合は最初から経口薬でもよい。

一手目 :フレスミン注(ヒドロキソコバラミン酢酸塩)1回1000µg 1日1回(筋注)週3回,合計6回を目安に貧血と自覚症状が改善するまで

二手目 :〈一手目の後〉維持療法:フレスミン注(ヒドロキソコバラミン酢酸塩)1回1000µg 1日1回(筋注),血清ビタミンB12値200pg/mL以上を目安に,1~6カ月に1回程度(多くは3カ月に1回程度)

三手目 :〈二手目の代わりに〉維持療法:メチコバール500 µg錠(メコバラミン)1回1錠1日3回(毎食後)

【葉酸欠乏症】

一手目 :フォリアミン5mg錠(葉酸)1回2錠1日1回(朝食後)

【銅欠乏症】

一手目 :純ココア(市販のもの)1回10g 1日3回(毎食後)

いずれの欠乏症においても鉄欠乏をきたしやすいため,リオナ250mg錠(クエン酸第二鉄水和物)1回2錠1日1回(朝食直後)を,血清フェリチン値20ng/mL以上を目安に適宜併用する。

▶専門家へのコンサルト

原因が不明,または輸血が必要な場合,血液科へコンサルトを行う。

▶患者への説明のポイント

巨赤芽球性貧血を契機に,がんや自己免疫疾患が発見されることがある。市販のサプリメントに含まれる微量元素は少量(多くは処方薬の<1%)のため治療効果に乏しい。

高見昭良(愛知医科大学内科学講座(血液内科)教授)


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