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【書評】Webコンテンツ『症状別 小児救急頻用薬』薬よりも大事なことを教えてくれる薬の本

登録日: 2023.04.25 最終更新日: 2026.02.21

鉄原健一 (福岡市立こども病院集中治療科科長)

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本書は薬の本だが,薬よりも大事なこともあることを教えてくれる。

小児救急の現場では,そもそも治せる疾患,病態が少ない。頻度が高い急性上気道炎,急性胃腸炎はセルフリミテッドであり,処方薬より日にち薬,つまり時間が経つことで改善する。医療者ができる最善は処方以上に優先すべきことがある。緊急度の評価,致命的な疾患の除外,ホームケアの指導である。

緊急度の評価では,呼吸が悪くないか,強い脱水になってないか,意識は大丈夫かをみる。たとえ胃腸炎であっても重症であれば循環障害をきたすことがある。致命的な疾患の除外では,敗血症,喉頭蓋炎,脳出血などがある。急性上気道炎,急性胃腸炎は,救急外来では初期の段階で診断をつけることは困難である。症状がそろってはじめて,あるいは,治ってはじめて「急性上気道炎(急性胃腸炎)だった」と言えるのである。ゆえに,救急外来で必要なのは,頻度が高い疾患の「診断」よりも緊急性,致命的な疾患がないかの「判断」が重要である。

そして,帰宅できるとなったときにホームケアの指導が重要である。ホームケアをしてもらう,経過をみてもらうという診療のバトンを,うまく患者・家族に渡す必要がある。ホームケアについては本書を参照頂きたい。それらをカバーした上で,数少ない疾患の治療や症状の緩和のために処方薬を使用する。

本書に記載されている薬は小児の救急外来において十分な量である。また,よく使われる薬であっても,使用する必要がない場合についても記載がある。そして,説明のひとつひとつにエビデンスと著者の経験が詰まっている。

小児の救急外来に関わる医療者は初めての診察の前に読むだけでなく,一通り勉強した後で再度読みながら,幹である本書に枝葉をつけていってほしい。

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