厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(遠藤久夫座長)は3月31日、地域医療構想を策定するための手順や考え方、実現のための方策を示した「地域医療構想策定ガイドライン」(以下、「ガイドライン」)をまとめ、同省は即日それを全都道府県に通知しました。「ガイドライン」をめぐっては、日本医師会サイドが「病床削減の仕組みではない」と強調する一方、病院経営者の間では、今後、2025年に向けて病床が大幅に削減されるのではないかとの不安も根強く聞かれます。
そこで、本稿では、この点について複眼的に検討し、以下の3点を明らかにします。①「ガイドライン」の記述を字義通りに読み、それに示された手順が遵守されれば、一般病床は逆に増加する可能性が強い。②地域医療構想は、「都道府県医療費適正化計画」と一体であり、この計画から病床削減圧力が加わる。③厚生労働省の枠を超えて、財務省、経済財政諮問会議、経済産業省、総務省からも、最近、病床削減の強い圧力が加えられている。