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進行性の背部痛を訴えた72歳女性 [キーフレーズで読み解く 外来診断学(134)]

登録日: 2016.09.15 最終更新日: 2025.09.20

生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科) 鈴木慎吾 (千葉大学医学部附属病院総合診療科) 池上亜希子 (千葉大学医学部附属病院総合診療科) 増山貴子 (千葉大学医学部附属病院総合診療科) 大平善之 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

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2カ月前に衣装ケースを持ち上げた時から背部痛が出現し,痛みの範囲と程度が増悪傾向にあるため,かかりつけ医の紹介で当科を受診した。背部痛は体動で悪化し,安静臥床でも改善しない。

飲酒・喫煙歴はなく,既往歴に高血圧症,糖尿病,脂質異常症,乳癌(14年前に右乳房全摘術+腋窩リンパ節郭清を受け,抗腫瘍薬を5年間と抗エストロゲン薬,のちに抗アロマターゼ阻害薬を計10年間内服),髄膜腫(7年前に開頭摘出術,半年前の再発時にγナイフ照射)がある。

内服薬はロスバスタチン,テルミサルタン,メトホルミン,シタグリプチンで,超速効型インスリン(12-10-10)と持続型インスリン(0-0-0-12)を使用している。

体温36.1℃,血圧132/62mmHg,脈拍66回/分(整)。胸腰椎に圧痛と叩打痛を認めた。

血液検査の異常値は,ALP 688U/Lのみである。脊椎X線画像では明らかな異常を指摘できない(図1)。


研修医の診断:多発性骨髄腫


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