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「スポーツは体に悪いのではないか」説 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(14)]

登録日: 2016.09.08 最終更新日: 2025.09.20

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

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かねてから、スポーツが体にいいというのは虚言であって、本当は体に悪いのではないかと疑っている。スポーツをしていて怪我をした、とか、最悪の場合、急死された、という話はまま聞くことである。

おそらく、スポーツなどせずに家でじっとしていたら、そんな不測の事態に陥ったりしなかったはずだ。

そんな持論を持っているにもかかわらず、つい出来心でジョギングを始めてしまった。この夏、モンブランに挑む予定なので、少しでも体力をつけなければ、と、邪な気持ちを抱いたのが間違いであった。

何を始めるにも、道具から入るタイプである。ふらふらと一式を取りそろえてしまった。だいたい人間がせこいので、お金を払うと元を取ろうと熱心になってしまう。

せっせと走り出した。わずか3回目にして膝を痛めた。普通には歩けるけれど、階段の上り下りができない。じきに治るかと思っていたけれど、1週間たってもまったく良くならない。

心配になって、日本でも有数の名医という、膝を専門にする同級生にお伺いをたててみた。MRIとレントゲンの画像がないとわからないという、まっとうなお答えをちょうだいしたが、忙しいので放っておいた。


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