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高尿酸血症と慢性腎臓病(CKD)

登録日: 2018.12.06 最終更新日: 2026.02.21

猪阪善隆 (大阪大学腎臓内科教授)

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【高尿酸血症はインフラマソームを活性化することによりCKDを進展させる】

高尿酸血症が慢性腎臓病(CKD)の発症・進展ならびに心血管合併症発症と密接に関連することが明らかになり,尿酸コントロールの重要性が再認識されている。高尿酸血症はキサンチン酸化酵素(XO)による活性酸素(ROS)の産生,レニン・アンジオテンシン系(RAS)の活性化などを介して血管内皮機能障害をきたし,CKDを発症すると考えられている。高尿酸血症による血管内皮機能障害は,糸球体の輸入細動脈の肥大をきたす。

最近,痛風発作のメカニズムとして,尿酸塩によるNLRP3インフラマソーム活性化経路が明らかにされた1)。尿酸塩はエンドサイトーシスによりマクロファージに取り込まれるが,リソソームでは分解されず,リソソームの破綻をきたしたことによりNLRP3インフラマソームが活性化される。尿酸を再吸収する近位尿細管細胞でも同様のことが起こりうる。

オートファジーは尿酸塩により破綻したリソソームを取り囲むことにより細胞障害の進展を抑制する。しかし,加齢等によりオートファジー機能が低下すると,尿酸塩により尿細管障害が起こりやすくなる2)。尿酸降下薬として用いられるXO阻害薬はROS抑制作用も有する。尿酸生成の過程でXOは酸素を電子受容体とするためにROSが生じる。XO阻害薬はROS自体による腎障害を抑制するとともに,ROSを引き金とするインフラマソームを抑制する可能性がある。

【文献】

1) Misawa T, et al:Nat Immunol. 2013;14(5): 454-60.

2) Maejima I, et al:EMBO J. 2013;32(17):2336-47.

【解説】

猪阪善隆 大阪大学腎臓内科教授


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