鈴木秀和「萎縮性胃炎でピロリ菌以外の原因はあるか?① 原因は2つ考えられる」
登録日:2022.11.10 最終更新日:2025.09.24
シリーズ: 【Web医事新報チャンネル】2022/11
質疑応答【動画版】「萎縮性胃炎でピロリ菌以外の原因はあるか?① 原因は2つ考えられる」(鈴木秀和 東海大学医学部消化器内科学教授)
(視聴時間15分・2022年11月2日収録)
質疑応答【動画版】では、現場の臨床医の先生方から実際に寄せられた質問・疑問を取り上げ、専門家が最新の知見・データに基づいてわかりやすく解説します。
今日のテーマは「萎縮性胃炎でピロリ菌以外の原因はあるか?」。東海大学医学部消化器内科学教授の鈴木秀和先生にご回答いただきます。
【萎縮性胃炎でピロリ菌以外の原因はあるか?(全2回)】
第1回 原因は2つ考えられる 11/10(木)午前10時公開
第2回 陰性高値群に要注意 11/15(火)午前10時公開
【Question】
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内視鏡検査で明らかに萎縮性胃炎(O-3)を認めるのに、ウレアーゼ試験や血清ピロリ菌抗体とも陰性のことがあります。このような場合、原因はピロリ菌以外と考えていいでしょうか?(00:32)
編集メモ~ここがポイント!
- 原因は2つ考えられる
- 1つは、過去にピロリ菌感染はあったものの、長期の感染で萎縮は重度(木村・竹本分類のO-3)となり、胃内にピロリ菌が生息可能な粘膜はほぼなくなった状態(ABC胃癌リスク型検診:D群)。多くは高齢でこのような状態になる
- このD群は胃癌リスクが最も高い
- もう1つは、過去にピロリ菌感染、除菌後胃粘膜、抗Hp IgG抗体陰性、ウレアーゼ陰性、そこに以前からA型胃炎(自己免疫性胃炎)を合併しているケース。ピロリ菌感染により萎縮は幽門前庭部から進展するが、一方で、A型胃炎による胃体部を中心とした萎縮は最初からあるので、比較的若年でもO-3の段階になりうる
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