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HLA半合致移植の位置づけ

No.4751 (2015年05月16日発行) P.49

成川研介 (東京大学血液・腫瘍内科)

黒川峰夫 (東京大学血液・腫瘍内科教授)

登録日: 2015-05-16

最終更新日: 2016-10-26

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同種造血幹細胞移植(以下,移植)では,白血球適合抗原(HLA)が完全一致あるいは一座不一致のドナーを選択するのが一般的である。同胞間では25%の確率でHLAが完全に一致するが,少子化に伴い同胞ドナーが得られないことが多くなった。このような場合は骨髄バンクに登録するが,適切なドナーが見つからないことがしばしばある。
親子間ではHLAの少なくとも半分が一致することから,HLA半合致の血縁者をドナーとする移植の試みが以前からなされてきた。ただし,HLA不適合の遺伝子座数が増加すると,拒絶反応(生着不全)および移植片対宿主病(GVHD)のリスクが上昇する(文献1)。したがって,従来の方法でHLA半合致移植を実施することは困難であったが,近年になり,生着不全とGVHDの予防法が改善された。国内では,移植前に抗ヒト胸腺細胞グロブリンを,移植後にタクロリムス,メトトレキサートおよびメチルプレドニゾロンを投与する方法で,Ⅱ度以上の急性GVHDは37%,Ⅲ度以上の急性GVHDは10%に抑制された(文献2)。海外では,移植後にシクロホスファミドを投与する予防法で良好な成績が報告(文献3)されている。
HLA半合致移植は,ほかの治療法で長期生存が見込めず,適切なドナーが得られない患者を対象として,限られた移植施設において実施されている。今後,本移植の普及が期待されるが,臍帯血移植などの代替手段と十分に比較検討して,その位置づけを明確にする必要がある。

【文献】


1) Anasetti C:Arch Pathol Lab Med. 1991;115(3): 288-92.
2) Ogawa H, et al:Exp Hematol. 2008;36(1):1-8.
3) Luznik L, et al:Biol Blood Marrow Transplant. 2008;14(6):641-50.

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